NoFace管理事務所 クトゥルフ神話解説 神話

目次

クトゥルフ神話とは

ラブクラフトによるクトゥルフのスケッチ

クトゥルフ神話とはなにか?

永劫とも思える時を隔て、様々な分野にて痕跡を残すクトゥルフ神話の世界。
なぜ、我々はここまでクトゥルフ神話に魅了されるのか。おぞましくも妖艶であり、人類を惹きつけて止まないこの神話体系についてご説明しよう。


クトゥルフ神話の起源

そもそも、クトゥルフ神話とは何なのか? どのように誕生したものだろうか?
クトゥルフ神話の原型が生まれたのは1920年代。米国作家のH・P・ラグクラフト氏が発表した怪奇小説が元となっている。
その作品は『ダゴン』。漂流する船乗りが、偶然、発見した大地に記されていた碑文と彫刻。何より、彼が見てしまった巨大な悪魔への恐怖を綴った内容は、読者に言い知れない不気味さを感じさせた。

後にコズミックホラーと呼ばれ、多くの読者を魅了した神話体系はこうして生まれたのだ。

ラグクラフト氏の作品が、最初から評価されたわけではない。むしろ、彼の作品はほとんど認知されなかった。
書籍は作品集一冊しか出版できず、氏は他人の文章の添削などで生計を立てていたのである。偉大な人物への評価が決まって死後であるように、ラグクラフト氏もまた、生前は不遇の扱いであった。

四十代という若さでこの世を去った後、彼の残した作品はやがて再評価されることとなる。

作家のオーガスト・ダーレスがラグクラフトの作品を高く評価し、これを世に広めようと動き出したのだ。
生前から親交のあった彼は、自ら出版社『アーカムハウス』を設立。 ラグクラフトの作品のみならず、自身も含め多数の作家を輩出しながら、神話体系を用いた作品を発表し続けた。
宇宙の深遠と地方の土着信仰。これらを絡めた内容が人気を博し、やがてクトゥルフ神話という世界が世に広まっていった。

そして現在、クトゥルフ神話は小説のみならず、アニメ、ゲームなど様々な作品に組み込まれていく。 また、口コミでも広がっていき日常にまで浸透していった。

こうしてクトゥルフ神話は、文字通りの伝説となったのだ。


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恐るべき神話生物

クトゥルフ神話の魅力の一つに、様々な神格たちがある。
太古の昔に宇宙を支配していた異形の怪物たちは、人類の英知など及ばぬ存在として描かれた。
それらは時に、愚かな狂信者によって。またある時は、太古より眠り続ける揺りかごを開けられて。 そうして人類の前に、邪悪なおぞましい姿を晒すことがある。
これら異形の存在は、ほとんどが分類できず、行動や習性は理解できない。
互いに協力関係にあるものや、神格を崇拝する種族もいる。またどの神格にも属さず独自の性質に基づいて動く種族もいるだろう。
一つだけ言えることは、ほぼ全ての種族にとって人類など存在すら歯牙にかけられていないことだ。


神格の分類

神格や種族をあえて分類するならば、旧神、旧支配者、奉仕種族、独立種族に分けることができる。
旧神は外なる神々とも言える。宇宙の誕生に関わり、宇宙を統べる絶対なる存在。
ほとんどの神々は人間に無関心で、干渉してくることは滅多にない。 逆に、これらの神々に関わろうとする愚かな人間は、例外なしに悲劇的な報いを受けるだろう。
盲目にして白痴のアザトースや、宇宙の門にして鍵でもあるヨグ=ソトース、配下にして千の顔をもつニャルラトテップなどが有名である。

旧支配者は古代の地球を支配していた存在だ。
人類の始祖が地球に誕生する遥か昔、地球上の支配者として君臨してきた。
旧支配者のほとんどは、古代の勢力争いの果てに宇宙の深遠や次元の彼方、または海の底深く、地底の奥へと閉じ込められている。
大いなるクトゥルフや名状し難きハスター、迷宮の支配者アイホートなどが代表的だろう。

奉仕種族は旧神や旧支配者などを崇拝し、下僕として意思を遂行する存在だ。
これら冒涜的な従者たちは、主の意思を反映するため、また主の復活への手助けのため様々な行動をする。
最も人間と接触する機会の多い奉仕種族には、深きものやショゴスなどがいる。

これらに分類されず、独自の信仰と文化をもち、各々の目的に沿って行動する一匹狼の種族もいる。
独立種族と呼べるこの連中は、人間を餌や労働力として見るものから、一切の交流を避けようとするもの。他の神格と対立していたり、積極的に関わろうとするものまで様々である。
ミ=ゴやイスの偉大なる種族などは、これらの最も代表格と言えるだろう。

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クトゥルフ神話とサブカルチャー

海外ではTRPGの普及などで人気の高いクトゥルフ神話だが、日本での知名度は決して高いとは言えなかった。
むしろ、クトゥルフ神話?なにそれおいしいの?状態が近年まで続いていた。 それでも、様々なゲーム、マンガなどにジワジワと取り込まれていき、徐々に市民権を得ていった。

去る2009年。ついに日本でのクトゥルフ神話の地位は転機を迎える。
GA文庫よりライトノベル『這いよれ!ニャル子さん』が創刊されたのである。
そのあまりにも名状し難き内容に、SAN値をガリガリと削られ狂信者となった者多数。 その後も『魔海少女ルルイエ・ルル』、『うちのメイドは不定形』などの怪作が生み出されていく。
まさしく、どうしてこうなった状態である。

ライトノベル界を中心に巻き起こったクトゥルフ旋風。
かつて孤高の作家、ラグクラフトが自身の強迫観念を体現したクトゥルフ神話は、なぜか遠い島国で萌え対象へと変化していったのである。
恐るべきは日本人の妄想力。あるいは、日本人のSAN値などとっくに尽きていたのか。

いつの日か、冷たい宇宙の深遠にて旅を続ける御大のもとに、星辰が揃った証としてニャル子さんの新刊が届かないことを祈るばかりである。

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クトゥルフ神話とTRPG

クトゥルフ神話とTRPGは非常に親和性が高い。神話だけに。寒いギャグはともかく、親和性が高いのは事実だ。 なにせクトゥルフ神話が市民権を得たことには、TRPGの存在が大きく関わっている。 残念ながら日本でのTRPGに対する認知度は高いと言えず、その辺りにもいまいちクトゥルフ神話が有名になれない原因があるかもしれない。 そもそもTRPGとは何か? まずはそこから簡単に説明しよう。


TRPGってなに?

RPGと聞くと何を連想するだろう。
多くの人は、剣と魔法のファンタジーをイメージするのではないだろうか。ドラゴンクエストやファイナルファンタジーを挙げる人もいるだろう。
それらは間違いではない。が、RPGの本質を突いてるとは少し言いがたい。

RPGはRole Playing Gameの略である。直訳するなら”役になりきる遊び”といったところか。つまり、RPGとはごっこ遊びなのだ。
例えばドラクエは、主人公の勇者になりきって魔王を倒すことが目的のゲームである。主人公の台詞がほとんどなく、はいといいえの選択肢しかないのも、プレイヤーに没入感を与え、役になりきってもらうための演出なのだ。
名前変更システムも、なりきりに一役買っている。主人公の名前を自分に変えて遊んだことのある人も多いだろう。それも立派なロールプレイだ。
もっとも最近は、主人公が自分の主義主張をボイス付きで熱く喋る作品も多いが。あれはもうRPGじゃなくて、製作側が考えた、カッコいいキャラクターの冒険を見るというものに変わってると思う。
昨今の日本製RPGがムービーゲーと揶揄されるのも無理ない話である。

話を戻そう。RPGがなりきりごっこなら、TRPGはさらに、なりきりを特化させた遊びだ。
Tはテーブルトークの略称だ。これは、ゲーム機などのコンピューターを使わず、紙と鉛筆、そしてサイコロを用いて行う遊びである。
プレイヤーは何人いてもいい。それぞれがキャラクターシートと呼ばれる紙に自分のなりきるキャラクターを記入する。 サイコロ(ダイス)を振ってステータスを割り振り、キャラの名前や生い立ち、性格などを自由に決めていく。
こうして作られたキャラクターが、PC(プレイヤーキャラクター)となる。ゲームでは、このPCをプレイヤーが操って進めていくことになる。

PCとは別に、GM(ゲームマスター)と呼ばれる役割のプレイヤーも必要だ。
GMは他のプレイヤーと対話しながら、ゲームの舞台となる世界とそこに登場するいろいろな事件や人物を説明し、決められたルールに従って、プレイヤーが考えたキャラクターの行動が実現したか否かを裁定することでゲームを進行させる。
単純化して言えば、コンピュータで遊ぶRPGでの、コンピュータ役をゲームマスターという人間が担当するのがテーブルトークRPGなのだ。
ちなみに、クトゥルフ神話TRPGにおいてGMはキーパーと呼ばれる。プレイの際に「キーパー、この判定に関して質問いいっすか?」なんて言えば通っぽくてちょっとカッコいいかもしれない。

プレイヤーたちは、ゲームの舞台となる世界内でPCの役割を演じながら、行動をキーパーに対して宣言し、戦闘や謎解きといった課題に挑戦する。
これを繰り返しつつ互いに協力または競争しながらストーリーを紡ぎ出し、最終的な目標の達成を目指すことが、ゲームの目的となっている。
一回のゲームにかかる時間は、キーパーの用意するシナリオの長さにもよるが、数時間単位になることがほとんどだ。 一日で終わることもあれば、参加者の集まれる日に、複数回分けてゲームを進めるケースもある。

クトゥルフの呼び声

『クトゥルフの呼び声』とは、アメリカのゲーム会社ケイオアシム社が製作、発売したクトゥルフ神話の世界観を題材に扱ったTRPGだ。
怪物退治を目標としたゲームが圧倒的に多いTRPGの中で、怪物と戦うのではなく怪物に恐怖するという『ホラー』をテーマとして真正面から扱った数少ないゲームである。
このゲームの最大の特徴は、ラグクラフトの描いた世界観を忠実に再現することを目的にしている点だ。
PCたちは様々なきっかけから宇宙的恐怖について調査するはめになってしまう人間たちを演ずることになる。
しかし、基本的に宇宙的恐怖について知れば知るほどPCは破滅に近づく。ゲームとしてはPCの死亡率は異常なほど高く、無傷でシナリオを解くことは、ほぼ不可能だ。だが、それがいい。

つまりこのゲームは『恐怖を楽しむ』ことこそが目的であり、ホラー映画をハラハラしながら見るのと同じ感覚で遊ぶゲームなのである。
PCが悲惨な目にあっても、むしろそれを喜ぶ「ホラー映画の観客」としての視点がプレイヤーには求められる。
ただし、クトルフの呼び声は『シナリオ上で提示される事件を解決し、プレイヤーキャラクターができる限り無事な姿で生還すること』がゲーム的な勝利として位置づけられている作品でもある。
つまり、プレイヤー自らがキャラクターをわざと悲惨な目にあわせるゲームではないことに注意してほしい。
悲惨な目に遭わないよう悪戦苦闘しつつ、それでも悲惨な最期を迎えたとしても『おいしい』と思えるようになれば、あなたはこのゲームの魅力にどっぷりはまっているに違いない。

TRPGのリプレイ

TRPGにはリプレイと呼ばれるものがある。これは、実際に行ったゲームの様子を記した議事録のようなものだ。
と言っても、ただ淡々と内容を書き写すのではなく、プレイヤーたちのやり取りやキーパーの思考を、面白おかしく物語のように記載したものがリプレイには多い。
リプレイのおかげでその場でプレイしなくても、臨場感を得ながらゲーム中の雰囲気を楽しむことができる。

リプレイはネット上で公開されてるものから、製本して販売しているもの、はたまた動画にして視聴できるようにしたものまで様々だ。
特にニコニコ動画などの動画アップロードサービスにおいて、リプレイ動画は一定の勢力を誇っている。 リプレイ動画は、東方キャラやアイマスのキャラたちがクトゥルフの呼び声をプレイするという設定のものが人気である。

製本されているリプレイ本なら、内山靖二郎氏の著作をオススメしたい。
内山氏はクトゥルフの呼び声以外にも、様々なTRPGのリプレイ本を執筆されている第一人者だ。
以下に氏の代表作をいくつか掲載するので、興味を持たれた方はぜひ読んでもらいたい。

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